8年のフランス生活にお別れを (4) 〜歴史の糸〜

そして、落ち着いたと思えばすぐにコロナウイルスがやってきた。

あれよあれよという間にパンデミックが起こる。
大変な数の人がフランスでは犠牲になり、外出禁令で2ヶ月の強制蟄居の日々を過ごす。

東京五輪は延期になり、志村けんの訃報に接し何とも言えない喪失感がある。
「志村けんさん死去」のニュースは、国内のみならず世界中の日本人を落胆させたようだ。

コロナのせいでフランスの失業率は15%にまであがり、さらに社会の雲行きは怪しい。

6月に入り飲食店がオープンしだし、少しずつ外出制限が解除される。ANAが飛んでいないので、2020年7月15日の日航機を予約する。

ある女に連絡を取る。

こういうコロナの日々の中で、僕は、自分がフランスに来た運命を考える。

「先祖の思召」か。運命の女に巡り逢うためなのか。日本では楽な生まれで苦痛を知らない自分を戒めて、外人というマイノリティー状態になって物事を考える修行なのか。

その全てに意味があり、その全てが解であるように思えた。

やはり、何人も歴史の上に生きる人間であり、その一人として歴史と社会のあり方から物事を考えるためにこそ、「先祖の思召」で自分はフランスに来たのだと思えた。

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