猛暑酷暑 フランスVS日本 どっちも地獄

一歩外を歩けば汗が吹き出る東京のアスファルトジャングル。

東京でなくても、日本の夏はどこにいっても蒸し暑く、サウナのような外気の中、汗は止まらない。

しかし、現代の日本においては、数十年の歳月をかけ、自動車・電車・建物など構造物のすべてが冷房設備を備えるように完成した。確か僕の小さい頃までは扇風機しかないJRの電車があった気がするが、そんなのはとっくに消えた。

フランスはそうではない。新型の自家用車でさえ冷房のない車は多いし、メトロや列車バスなどの公共機関も新型車両の一部を除けば冷房車はない。家にもレストランにも普通クーラーはない。
他方暖房設備は、薄ら寒い建物が多い日本とは打って変わって充実しており、建物も普通セントラルヒーティングで、公共機関も各種店舗も暖かい。

このように、酷暑ゆえに冷房の構築を重視した日本と、寒冷ゆえに暖房を重視したフランスである。日仏比較まで行かず、お隣朝鮮と比較しても、寒冷のため朝鮮ではオンドルが古来より伝統的に存在するが、日本が床暖房などと言い出したのは、ここ20年のことである。

太陽の日本は、暑いから、やっぱり冷房大国なのである。

建築をとっても木造建築の日本は暑さに強く、石造りのフランス建築は寒さに強い。

しかし、肌を以ってしても明らかに地球の温暖化を感じる現代のフランスにおいては、この冷房を想定していない社会構造が地獄となる。

7年ほど前にこちらに来た当初は、「何だ真夏は高々7・8月の1週間やそこらではないか。」と感じていた。熱帯夜などはものの一週間の我慢で済んだ。また、9月の半ばからは曇りと雨が5月まで続く寒く暗いフランスにあって、体はこの束の間の暑さと燦々と輝く太陽をむしろ喜んだものだ。

ところが、この3、4年は6・7月から始まる東京並みの最高気温に1ヶ月半は続く猛暑が身体にこたえる。特に去2018年は10月の半ばまで永きにわたり晴れていたと記憶している。

社会はこれを全く想定していない造りである。もはや我慢は限界。体は暑さにへばり、エアコンのない家では体が落ち着かない。

石造りの建築は熱しにくく冷めにくい。そのため、雨戸を閉め忘れたりして直射日光で部屋の中が温まれば、暑さが夜までムンムンと残る。建築はクーラーを想定していないから、室外機を置く場所もなければ配管もない。つまりは、トイレ脇に電気が通っていない西洋建築にはウォシュレットを装備できないのと同じでクーラーを設置すらできない。

驚いたことにマルセイユのメトロでさえ冷房がなかったが、冷房なき鉄の塊の車両や構造物の中は全くのサウナとなる。外がサウナの日本の真逆である。
マルセイユでさえこの調子だから、パリのメトロや列車・バスも同様である。
冷房の効いたデパートにでも行かない限りは、この暑さから逃げる場所はない。人々はせいぜい開けっぴろげのカフェで冷たい飲み物を飲んで急場を凌ぐ。家では扇風機とシャワー。

そして、もう一つ夏の苦悶として虫がある。
ヨーロッパの建築には常備のものとして網戸がない。窓にはさんすらない。

日本に留学に行く生徒は日本脳炎のワクチンを打たないといけないように、日本は蚊の文化で、それによる感染症に長らく悩んだ文化である。これをして、網をもって夏場に体を守る風習が伝統である。
対して、フランスにおける感染症といえばマダニのライム病などが主であり、網で体を守る文化は染み付いていない。DIYをすれば設置も無理ではないが網戸までは普通しない。

すると夏場には窓を開ければ毎日のようにアブ、蜂、日本に比べて大型の蝿、夜には蛾が入ってくる。
僕は殺虫ラケットを持っているとはいえ、大の昆虫嫌いだから、毎年の夏はそれが苦痛苦痛でたまらない。特に蛾や蝶は気持ち悪くて、小さい頃から怖くて怖くて仕方がないので、夜は窓を閉めて、扇風機で我慢している。この世の怖いものは唯一、蛾と蝶。モンシロチョウでも結構怖がる。アゲハチョウやクロアゲハは完全に無理。

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