フランスとコンプライアンス 〜教職と芸事と闇営業と…何もかも萎縮する時代〜

僕は、現代のフランス社会の世相をありのままに発信しようと努め、インスタグラムなんかもやっている。面白いと思ったスナップショットを撮りまくりだだ流しする。

素人芸ながら、写真を通してフランスの何かをお感じいただければという思いである。

また、自分が打ち込んできたジャズも何が本物なのか広き裾野のせいで分からないが、それは写真も同様である。みんながスマートフォンや種々のカメラという写真機を持つ時代にあって、だいたい写真家を名乗る人の写真は補正されにされたものだから、私もエセジャズシンガー同様補正機能に頼るエセ写真家として、あえて恥ずかしげもなく名乗るというパロディをしている。何が本質・本物かの見極めが難しい時代にあって、胡散臭い肩書とともにエセの道を追求するというギャグは個人的には面白がっている。本物の写真家の知人友人のものは、そういう補正写真家とは違う腕が確実にあるから、私はこれを極められないので、スマホでエセを極めるのである。

そんな中、この酷暑のさなか私のインスタグラムに関して大学から呼び出しを受けた。それは一枚の写真を巡ってであった。ある白昼に、現代アートのメッカポンピドゥセンター前の柱に「コカイン売ります!」のポスターが堂々とあった。堂々としているゆえに逆に皆が気づかない、そしてこれが剥がされないシュールが大変に面白いと思って、それを写真に収め、「生徒もどうぞ」などという冗談を書いていた。

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これは冗談だと普通は分かるはずなのだが、世の中色々な人がいて、自分の生徒か、何万人もいるマンモス校パリ大学の他学部の人間かはわからないが、一人の生徒から大学本部に、ドラッグの写真をインスタグラムに載っけている教師がいると通報があり、呼び出しを食らったわけである。

丁度コカイン疑惑が出たから、来季はピエール世川ないし、エリック世川を名乗ろうかなと思う。ピエールはもとよりエリックもフランス語のファーストネームとして通用する。電気グルーヴは歌えそうにないがクラプトンのコカインを持ち歌にする事に決めた。

 

また、学科主任へ本部から送られたメールには「もちろん冗談だとは思っているけれど」という文言があったが、一筆詫びの文言を書きその該当の写真は先生の前で消去した。

ブラックジョーク大好き人間としては、こういうことやシュールを探求できないのは辛いところではあるが、現代のコンプライアンス社会とはこういうものなのであろうと、身をもって感じた。

また21世紀の教師には、日仏双方の全教師が直面するであろうもう一つのコンプライアンスがある。
夫れ教師というのは、醜悪な男であれ御役得としてモテる職業である。女教師も同様で、男にも熟女フェチというのがいるし、若い女教師は尚のことモテるようで、大学で生徒からナンパされるのは当たり前であるし、若い女の間には一定数確実におじんフェチや年上好きがいるから女学生の色目に耐えなくてはならない。

女子生徒にストーカーをされたり、必ず授業で最前列に座って色目を使われて困り果てたという話はザラである。日本でもフランスでもこれは同じであろう。

「Comment séduire un prof (どうやって教師をナンパするか?)」とGoogleに打てば、日本でも有名な雑誌ELLEでも特集されるぐらい、ごまんと方法論が出てくる。また、こちらは図解付きで、教師のナンパ方が指南されている。「質問して教師の印象に残れ」「一人で教員室に質問に行け」「授業前後に個別質問に行け」「メールを送れ」などなど…

つまり男子生徒も女子生徒もそういう妄想を膨らます者が多いという証左であるし、日仏問わずこれは「教師と生徒」という人間界の永遠のエロスの命題なのである。

ポリスの傑作にDon’t stand so close to me という歌があって、これは教員経験のあるStingの心の叫びを歌ったものだが、私も下手ながら持ち歌にしているし、この曲なら本当に心から歌詞を理解して歌える。

 

 

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