日本学を学ぶフランスの生徒たち 〜日本趣味かオタクか、あるいはホモか〜

個人的には、この子の父君のように、大人になった子供に、あれこれ口出ししたりするのは、好きではない。小さい頃から、世の中の道理や理不尽を含め、言葉や態度で、様々な道を示して考えさせる方がいいし、実学を学んで欲しいなら、娘を納得させるだけの理由を投げかけられなくてはならない。

ただ、父君の思いが半分正しいと言うのは、娘に社会で生き抜いてもらうために出た言葉であることには違いがないと同情できるからである。

この生徒は、マダガスカルのチャイナ系、黒人系が混ざった、移民の弱い階層の子として生まれた現実がある。だから僕としては、高等教育をして、娘の社会的地位を上げてやりたい親の気持ちはわかる。
そして、フランスなど教育がタダみたいなものだから、日本やアメリカに比べれば、移民は教育システムを利用して、より良い社会的地位を獲得しやすい。
なのに、普通移民は死に物狂いの努力をしないから、逆に教育熱心な移民はあっぱれだとも思っている。

そういう意味で、僕はユダヤ人には常に感心している。その理由は、彼らは、よそへ移住したての時は、もちろん移民の下層階級であるが、全てを子供の教育に注ぎ込み、高度な学位を取らせ、政治家・銀行家・学者・医者などとして、次か次の次の世代では社会のアッパークラスに食い込んでくる。そして強固な横のネットワークで社会を牛耳る。
これがいいか悪いかは別としても、元来国を持たず、世界に散らばったユダヤ人が二千年来培ってきたテクニックは凄い。

その代わり、金のことばかりだし、社会を牛耳りやがってと、蔑視されているのも事実。

ヨーロッパの非ユダヤ人と本音トークをすると、ヒトラーの時代が去ったとはいえ、みんな本質的にはユダヤ人が嫌いという本音が出てくるから、面白い。
そんな時は、僕が日本人だからと安心しきって、ひとしきりユダヤ人の悪口を言うから、最後に「僕ユダヤ系日本人なんだけど」と言うと、みんなの顔が青ざめる。

支那には古来から土着しているアジア系ユダヤ人がいるし、沈黙のちょんまげアクションスター、スティーブン・セガールがユダヤ人だと思わないように、見た目ではユダヤ人はわからない場合もあるし、それでいてユダヤへのアンチ発言は、ヨーロッパでは警察に逮捕されるから、みんなビビるのだ。

フランスにおける大問題である、Antisémitisme (アンチセミティスム・ユダヤ差別)も、いずれちゃんと言及します。

ちょっとずれて、教育とは関係のない、マフィア物語だけれど、ロバート・デニーロ主演の傑作、Once Upon a Time in Americaなどは、ユダヤ人がどのように社会の上位を目指し、もがいていくかの一面を上手く描いていると思う。

さて、この女の子には、日本が好きだからという、ぬぼっとした理由で何も人生設計をせずに日本学科に来ている学生より、あなたの方が、人生でちゃんと身を立てられる可能性が高いし、日本への興味は別の形で実現するように、と応援させていただき、無事来年からはパリ大学の法学部に行って、第二外国語で日本語をやることになったから、めでたしめでたし。

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