日本学を学ぶフランスの生徒たち 〜日本趣味かオタクか、あるいはホモか〜

・ジャポニズムの時代は何処へ、オタクまみれの学部生

日本に興味を持つ人々には、階層別の違いがある。

上流階級は、日本の美術や思想、食文化、伝統文化、文学などに、興味あるいは幻想を抱き、日本に関心を持つ。
こういう人たちは、自分たちの確立したライフスタイルの中の、様々な興味の中の一つが日本であるから、知性の幅も質も高く、バランスも取れていて、日本への眼差しや話なども面白い。
上流階級など分母も小さいし、こういう人の数は多いとは言えない。

しかし、フランス人は、得てして皆が日本へはいいイメージを持ってくれている。

そうでなければ、現代の日本好きというのは、オタクという言葉が世界展開し、フランス語にも入り込んだように、ネットの世界に生き、アニメ漫画一辺倒の日本マニアが多い。Japan Expoでコスプレをするような類の人たちである。

何も僕はアンチアニメ・漫画ではない。これも誇るべき日本文化の一つである。
自分とて、坂道のアポロンもちゃんと見ているし、浦安鉄筋家族とかギャグ漫画大好きだから。

イタリアでは40代・50代が、釣りキチ三平をアニメで全員が見て育った世代であるし、30代以下の現代フランスっこなら、ナルト・ワンピースで育った世代だから、アニメや漫画が、日本文化への興味を抱く共通チャンスとしての入り口になる分には大賛成である。
あるいは、ジブリなどに代表されるように、アニメーションの細やかな技術が極まるものも、日本にしか成せない技だと思う。

オタクというのも人の趣味だから、自由であり、別にそのことについては、批判するつもりもないし、権利もない。

しかし、このフランスのオタクの人たちを分析すれば、だいたいフランス現代社会に自分を見出せず、逃げで、漫画アニメやネットの世界にのみ没頭して、どんどん日本へ妄想を抱き、日本=アキバになってしまった人々である。
大学に来るファッションも、アニメの格好や、ピンクなど凄い色の髪の毛の人もいて、僕にはちょっと理解不能。

僕は、日本は何もアキバからのみ構築されるだけではないし、日本文化は漫画アニメだけではないから、興味の幅を広げ、日本を通して自国を知るということが、ベストだと思っている。
そのため、大学にばかりいるのもよくないし、漫画しか読まないのもまずいし、常に様々なものへの知見を広げ、深めてくださいなと、生徒たちに言っている。

やはり、日本の随は伝統文化や、独特の精神性や社会にこそあるし、そこがわからないと、多分アニメや漫画も突き詰めては理解できない。なんで日本人は視覚から物事を理解するのが好きなのかと考えるときに、絵巻物や漫画の原型としての鳥羽絵なんかは無視できない。

ダサダサクールジャパン戦略で漫画とアニメばかりを喧伝するのではなく、日本はもっと発信すべきことがある。
これができていないから日本学科の半分以上が、日本に妄想を抱いているオタクまみれになってしまうのだ。

日本学部の学生としての態度に対する批判になるが、漫画アニメオタクの人は、日本といっても実にそこにしか興味がないことが多い。それで本人たちも満足しているから、日本を深く理解し、そして自国を理解し、そこから思想形成がなされ、社会に寄与するという方向には行きづらい。

オタクしか引っかからないような日本の発信ではなく、違いのわかる、真の日本理解へつながる外国人材の育成は、日本の国際ストラテジーにおいて極めて重要である。

オタクの人たちが外交官になったり、大統領になったりして、国レベルで日本と交流してくるなど有りえない。

シラク大統領のような知日派がインテリ層やアッパークラスに増えて行かないと、どうしようもない。
もっとも、その頃はネットもないから、親日家といえば、上流の人間のハイソな日本趣味の少数精鋭であったわけで、この階層をないがしろにしてはならない。

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