トリエステグルメ備忘録

自分なりのルールとして、観光地あるいは、観光地観光地した食事処では食事をしないと決めている。
できる限り地元の人間の行く店で食事がしたい。

日本には観光地にも美味しい店や老舗があり、食事のクオリティーが観光地だからといって落ちることはあまりない。
ただし、観光地メシが美味しいと言っても、地元の人間が、観光で有名なその街のいかにもなことを実践しているかというと別である。

日本では、相撲観光でおなじみ、両国住民の僕が駅前に乱立するちゃんこ屋に食べに行くかといえば行かない。このように、地元の人間が食べそうで食べない、しそうでしないことがある。
両国の地元民はどこに行くかといえば、両国の駅のあたりではなく、新大橋や森下深川方面に入っていくか、東日本橋、浅草橋の裏とかそういうところに行く。それか近いので普通に銀座新橋。

かつて岡山に行った時に、岡山名物小魚ママカリの酢漬けが嫌に気に入って、感動してママカリばかりを頼んでいたら、地元の人間に、「岡山の人間はあんなもの食べない」と言われ驚いたが、極力こういうミスを減らしながら、地元民のグルメを食しつつ、地元民と話し、地元に少し馴染むことが、僕の旅のモットーであり、楽しみ方である。

この楽しみ方を実践したければ、ヨーロッパの観光地で食事をすることは、避けたほうがいい。観光地にも、美味しい秘密基地的な店はあるにはあるが、珍しい。
パリなら、モンマルトル、ノートルダム、シャンゼリゼなどといった観光地のカルティエには、山のように観光客狙いの飲食店が溢れかえっており、こうした店は、地元民に愛される必要はないし、リピーターなどは要らないから、美味しくないものを出して、そこそこの値段をかすめ取る。まずい食事はと言えば、冷凍したものを解凍して出しているだけであり、フランス料理のイメージを落とすとフランスで社会問題化している。

こういうものに引っかかることを避けるには、ある程度の策がある。

フランス人はメニューの数でシンプルにこれを見分けている。
メニューが何十種類もあったら、仕込めるはずはないので、冷凍であると。
僕は外人なので、観光客が多いなとか、客引きをする店、日の丸やユニオンジャックなどの国旗のマークや外国語のメニューが取り揃えられていたら観光客狙いだなと、嗅ぎ分けている。
そして、先ず観光地では食事をしない。

ただ、これが不可能な場合がある。
例えば、ノルマンディーの港町オンフルールなどは、地元がすべて観光と漁業で出来上がっているので、観光と地元が共存しており、どこをくまなく巡っても、地元民の行く店と観光客が行く店がハーフアンドハーフで被っている。また、ヴェネツィア本島のように大きくても観光から一切逃れられない街もある。
こういう時はもう仕方がない。

今回の旅で見たスロベニアの首都リュブリャナも小さく、地元と観光の共存都市であったし、トリエステも小都市であるから、中心街に普通に観光客と地元民が共存する飲食店がある。ただ、トリエステの場合、地元民の生活エリアや丘の小道などに、地元民しか行かない店があるから、まだ、観光の匂いを避けられる。

今回はトリエステを愛する僕が、トリエステで行きつけにした店と、観光の匂いがするがまあ許容できると判断した店をご紹介させて頂きたい。そして、多くの日本人にこの街を旅行して頂きたいと願っている。

ちなみに、イタリア人は元気が良く、礼儀正しく、感じがいいので、つっけんどんにされたり、入りにくいということはない。値段はすべて良心的である。

「Salve サルヴェ(Ciaoより丁寧)」、「Buongiorno 」、「Buonasera 」、「Ciao」と挨拶して、元気で慇懃にお店に入りましょう。

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