スポーツジムに見えるフランス社会

日本とフランスのフィットネスやジム文化は少し違う。
日本は大手のジムチェーンが存在し、清潔なシャワーやサウナが必ず完備されていると思う。

フランスにおいては、ジムチェーンは主に安価な価格帯において存在し、一月30ユーロや50ユーロぐらいの日本に比較して割安のものが多い。
しかし、これらのジムは日本人が思う清潔とは程遠く、あっても海の家のようなシャワールームや、そもそもシャワーがない店もたくさんある。

日本でもそうだろうが、富豪は一流ホテルのスパフィットネスの会員であり、軽く走ったり、筋肉を鍛えたいだけの普通の人は安めのチェーン店に行く。
また、フランスでは金をかけずに市営のジムやプールを利用する人や、公園や森を走るランナーが多い。

そして、フランスのジムの価格帯が下方へずれているため、日本のジムチェーンと同じ月会費を払うとそれは高級ジムとなり、大層なスパが併設される。
この高級ジムというくくりのものは、パリに何軒もある訳ではない。

フランスの安価なジムも知ってはいるが、客層もあまり良くないし、不潔なのがどうしても気になる潔癖症の僕は、日本でもルネサンスに行っていたということを言い訳にしながら、ある高級ジムに通っている。そして、ピカピカと言ってよろしい清潔なサウナとハマム(アラブ式ミストサウナ)を楽しみつつ、スポーツ選手ばりのいいマシーンで運動をしている。

このジムの客層は、口コミなどのせいか、最近なんだか中国人が目立ち出したが、もちろんほぼ白人で、女なら有閑マダムか若い金持ちの娘や、明らかに誰かの囲いものと見える移民美女である。そして黒人やアラブ人はごくわずか。日本人もわずかである。

ここに通い始めた時、友人の高校の美術の女教師が「ハッテン場じゃないの!私のゲイの美術仲間がみんな通ってるわよ!」と大笑いしていたが、確かにこのジムにはその一面もある。見た所、男の3割強はゲイであろう。

まず、ロバートレッドフォード風のオーナーは明らかなるゲイで、受付の男も彼の好みなのか線の細いゲイの美少年が多い。

フランスではホモの人はみんな知り合いなどと言われているが、そういうホモセクシャルのネットワークでこのジムが運営されていることは垣間見えるし、清潔で高級でサウナがあるとなると、やはりハッテン場の機能が自然発生するのであろう。

そして、ゲイと言ってもいくつかのタイプに分かれるという。
マレ地区の西側を歩けば、派手目のゲイバーに男たちが軒先まで群がっているシーンを誰もが目にできるが、この人たちは小太りやずんぐりむっくりの熊五郎型である。あるいはジムの受付の美少年のように線が細くて、肌も女みたいに白くてきめ細やかな、実に綺麗なお小姓型もいれば、このジムに来ているゲイは極めてお洒落で筋骨隆々なヘラクレス型のゲイたちである。

ヨーロッパの女がよく嘆いて「イケメンやお洒落な人はみんなホモ」と言うが、確かにゲイはカッコいい人が多いと思う。特にヘラクレス型のゲイは、ヨーロッパの現代の普通の男にはない、映画俳優のような洗練があり、美意識の強さが香ってくる。

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