フランス人は部屋干し派〜フランスVS日伊南仏洗濯大戦争〜

イタリアにきて、洗濯物をしてふと思った。
「ヨーロッパに来て洗濯物を表で乾かすのは初めてだ!」
この感動である。

イタリアは日本と同じで太陽の匂いがする。
街を歩けば太陽は薫る。
太陽が乾かしてくれた洗濯物は暖かく、太陽の香水を染み込ませたかのようである。

フランスではこうはいかない。
庭付きの戸建てなら、夏のいっ時ばかりは燦々と輝く太陽のもとでこれが味わえるし、秋冬春は曇天のもとで、申し訳程度に服を表で乾燥させることができる。

しかし、フランスで集合住宅に暮らせばそれは不可能であり、部屋干しに甘んじるより他ない。

思えば、僕がヨーロッパで太陽で乾かした洗濯物を着るのは2年ぶりである。
その時はまずフランスのアングレームで、友達のお母さんが、家の庭で僕の服を洗濯してくれた。
それから間も無く、フィレンツェの集合住宅のバルコニーで、これも友達のお母さんが服を洗濯してくれた。
だから、自分で洗濯をしたわけではないので、僕は今回初めてヨーロッパの太陽で洗濯をしたことになる。

部屋干しというのは慣れるものであるが、それでも気持ちのいいものとは言えない。
太陽の力で乾燥させるわけでなく、家の空気で乾燥させるから、仕上がりはイマイチ。
そして、家の中で洗濯物を乾かすことは、下手をすればせっかく洗った洗濯物に、タバコの匂いや揚げ物の匂いなどの生活臭がついてしまう可能性がある。

他方、部屋干し文化には二つだけ利点がある。
一つは景観の保全、もう一つは騒音の問題である。
たとえば、パリでみんながアパルトマンの窓から線を引っ張って洗濯物を乾かしていたら、景観が損なわれるであろう。
あるいは、布団を叩きながら「引っ越しー。引っ越しー。さっさと引っ越しー。」という三三七拍子の騒音被害は北部フランスでは起こりえない。

この目的を達成するため、パリをはじめとする南仏以外のほとんどの自治体では、たとえバルコニーがあろうとも、洗濯物を表で乾かしてはならない法律を定めている。

そして、洗濯物をアパルトマンから乾かしているのは南仏ぐらいだと、北部フランスのガリア人どもは、南仏のラテン人を馬鹿にするのである。

しかし、ラテンフランス人たちは、「Il est difficile de lutter contre des pratiques ancestrales(先祖代々のしきたりに挑むことは難しい)」と、パリの部屋干しガリア文化に侵食されることを嫌がっている。
伝統を誇るラテン人なだけに、「Ancestrale(s) アンセストラル 先祖代々」という言葉が良い。
また、乾燥機の使用が増えればそれはエコロジーに反するということにもなる。

我が太陽の大和民族はやはり南仏人イタリア人という、これまた太陽のラテン民族と似ている。相性が良いし同じような行動をする。洗濯物に関してもやはり外で乾かしたい。

洗濯はまあ気晴らしにもなるし、僕は好きだが、どうもパリやフォンテーヌブローで僕の気が真に進まないのは、部屋干しが嫌だからなのである。
部屋干しは陰湿で根暗であり、精神衛生上良くない。

太陽と一緒に洗濯をすれば、晴れやかな気分がもたらされる。

イタリアの夏の太陽で乾かすリネンのシャツは、洗濯物として一流である。

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参考)https://www.lanouvellerepublique.fr/france-monde/le-linge-au-balcon-est-suspendu-aux-reglements-prives-et-publics
http://premium.lefigaro.fr/actualite-france/2014/05/21/01016-20140521ARTFIG00270-etendre-du-linge-aux-fenetres-une-pratique-deja-interdite-presque-partout.php
http://www.leparisien.fr/yvelines-78/mantes-la-jolie-78200/le-linge-au-balcon-interdit-sur-les-bords-de-seine-11-11-2009-707223.php

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