第一外国語をイタリア語にし、ついでにカタカナ外国語表記も駆逐せよ

先づ、イタリア語は日本人の口に一番合う。すなわち一番発音しやすい外国語である。

それは、カタカナヨーロッパ言語に毒された大多数の日本人の、殺人的な欧州言語発音の汚さが、イタリア語にだけはたまたま通用しないという神がかった奇跡である。

前提として、日本人の英語コンプレックスや、日本人の外国語が一向に上手くならない最大の原因は横文字のカタカナ表記にある。

これは開国以来170年を経た訳だからそろそろ駆逐しなくてはならないが、例としてカタカナ英語の弊害はこうである。

「Thank you」 という言葉を「サンキュー」と表記して「San kyū」と発音した瞬間に、これは英語ではなくなり、下手をすれば通じない発音になる。

フランス語はもっとそれが顕著で、Musée de Louvreを「ミュゼ ドゥ ルーブル」とカタカナにして、「Myuze dou lūburu」と言った瞬間に、あの世界一有名な美術館をフランス人に聞いたのにフランス人が教えてくれなかったとか、フランス人が知らなかったという荒唐無稽な意思疎通の断絶が生まれてしまう。

こういうこともあった。かつてフランスの有名サッカー選手にThierry Henryという人がいて、これはフランス語でThierry Henryと発音しなければ到底伝わらない、超難関フランス人固有名詞であった。

日本ではこれを「ティエリ・アンリ」と表記し、サッカー選手だから苗字のみで「アンリ」と歌手の杏里と同じ発音をしていた。

そこで、ある親戚のサッカー少年が僕の友人のフランス人に、話のきっかけにしようと思って「サッカー選手のアンリ」と言ったのに、一向にこれが伝わらず、携帯で確認させたら、「Henry!!!!!!」とフランス語でようやく理解した。

カタカナ表記の発音で何とか相手に伝わるフランス語としては、Emmanuel エマニュエル、Céline セリーヌ、Café カフェ、Lyon リヨン、など。ここら辺は何とかなるが、9割9分は何とかならない。

当然、俳優のJean Renoもジャンレノと発音したらレノで引っかかって通じないし、Alain Delonもアランドロンでは、ドロンではないので伝わらない筈である。

逆にアルファベット表記の日本語も駄目だ。

かつて、パリの曹洞宗の寺で般若心経を読んだことがあったが、フランス人たちはアルファベットで「Hannya hara mitta」と読むが彼らの発音は「あんにゃーあらみった」となりやはりおかしい。

このように、お互い知っている言葉でさえ、発音のせいで通じないというような事態は、開国以来170年を経て、未だに外国語をカタカナ表記に直し、本来の発音からかけ離れた発音をし続け、外国語を話すときにも恥ずかしげもなく、カタカナ発音で通そうとする日本人が全面的に悪い。

ただし、イタリア語だけは奇跡的にこの日本人の悪弊に無関係の外国語である。

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