パリから東京に帰ってきて驚くのは、夜が明るいことだ。
繁華街や幹線道路が明るいのは言うまでもなく、閑静な住宅街や路地裏までもが明るい。
おそらく神社にでもいかない限りは、本当の暗がりというものは見つけられない。
東京人というのは、こんなにも灯りが好きなのであろうか。
先づ信号機が大振りであり、近頃の信号の色はLEDで一層輝いている。
24時間営業の店々は煌々と輝いている。
そして、至る所の看板と自販機が光っている。
対してパリの夜は暗い。
屋内の灯りも白熱電球でぼやけており、屋外の小振りの信号も街路灯も薄暗く、24時間営業の商店も光る看板も自販機もほぼなければ、商店も店外までライトアップするようなことはない。
蛍光灯やLEDなど科学技術の最先端の明かりを誇る東京と、電気を惜しむかのように照明を革新しないパリ。
夜の明るさの違いは、東京が人工的で先進的に映り、パリが自然的でレトロに映る装置である。