フランスで国鉄沿線に住む地獄 〜カリカリおばさん・カリカリおじさんとの遭遇〜

フランスで国鉄沿線に住むことは、それなりに交通に難渋するという覚悟をもたなくてはならない。
ちなみに私鉄などない。

パリなら近距離なら歩ける。
馬鹿げたことに、新型車両でも意味もなくボックスシートに固執して、人が乗りづらい上に、臭く汚く小さいメトロも、しょっちゅう止まりこそすれ、本数はあるし、週末は2時までの営業である。
路線数に富んだバスや、Uber、タクシーも潤沢にある。

このパリの鉄道・バス事業を担うのがパリ交通局(RATP)である。

そのほか、パリと郊外を結ぶ首都圏急行鉄道網(RER)という、パリ交通局と国鉄共同の路線がある。
黄色い総武線とか、青梅あたりまでの中央線、京葉線みたいなものと考えればいい。

これはABCDEの5路線あり、危険な郊外を通るし、電車も汚く治安も悪く、ラッシュアワーは人でごった返すことで悪名高い。
シャルルドゴール空港とオルリー空港を通るB線に乗られた日本人なら、あの嫌な雰囲気に気づいたに違いない。
あんなのでトランクを持って、落ち着いて乗ることは不可能である。
そういう、車中で絶えず警戒せねばならない神経からくる疲労を飛行機前後に感じるのは嫌だし、フランスの駅は滅多にエスカレーターやエレベーターがないし、あっても止まっていることが多いから、僕は荷物を持って空港に行くときは疲労感軽減のためタクシーを使ってしまう。

そして、国鉄では、パリと首都圏の近郊都市を結ぶトランシリアンと、TERという首都圏を出て遠方へ行く長距離列車がある。

僕は今南東のフォンテーヌブローという街に住んでいて、クオリティオブライフは高いし、住むにはパリの近郊都市として悪くはない。

本当は根暗で辛気臭いフランスを抜けだし、自分には合っていて、おかしいぐらい太陽と美女と陽気で礼儀正しい人間に溢れるイタリアに引っ越したいと願っているが。

さて、ここからパリへ出るためには、僕が住む街の中央からは歩けば30分、バスなら10分揺られ、1時間に2本の電車を捕まえて、そこから40分かけて、パリリヨン駅に行かなくてはならない。

この駅の列車は国鉄のトランシリアン・TERという2つの種別があるから、特にパリリヨン駅から帰るときは、気をつけなくてはならない。

ちょうど、感覚的に小田原をフォンテーヌブローとすると、熱海行きか、下田行きに乗り、小田原で降りる感覚。寝過ごしには、気をつけなくてはならない。

すでに2回寝過ごし、一度は、家より50キロ先の、モンタルジという熱海的な近い方の終着駅の車庫に入ってしまい、非常用ノブを回して脱出し、車庫から駅まで戻る羽目になった。

そういうことを除けば、電車は広めのボックスシートで、パリからは始発で座れるし、パリへ出るときも、列車遅延などで人がごった返していなければ、普通座れる。



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