フランスと大麻

フランスというのは西ヨーロッパでは珍しく、法律上は一部のカンナビノイド製剤の使用を除いて完全に大麻を禁止する国である。

2011年だから少し古いが、見やすいのでこの図表を見てみると、大麻というものが、ヨーロッパ社会において、強弱を持って受容非受容が定められているとわかる。

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(https://www.la-croix.com/Actualite/France/La-legalisation-controlee-du-cannabis-a-t-elle-un-sens-_NP_-2011-06-16-642948)

ちなみに実は細かい規定はあるのだが、娯楽用含めほぼ大麻が解禁されているのはスペイン、オランダなど数カ国で、その他ドイツイタリアデンマークなどの多くの国(緑)が罰則をなくした。

マクロン大統領もこの流れに追従し、大統領選で、大麻の使用に関して違反者には軽い罰金刑のみにする方針を打ち出していたが、なし崩しのままであるようだ。

しかし、フランスでも大麻はブローカーは別として、個人で楽しんでいる場合には刑罰はあるのだが警告程度で済むし警官には見逃される。フランスの警官は大事件じゃないと実に動かない。こうして事実上大麻規制と罰則が有名無実化しており、欧米諸国の大麻解禁に合わせる形で、大麻解禁議論が高まりつつある。

こうして、一般人の大麻所持・喫煙者を警察は取り締まらないから、フランス人たちと関われば必ず交友関係には大麻を吸う人間がいるし、街でもマリファナの匂いが香ってくることは当たり前である。
フランスはヨーロッパで一番若年壮年層(16-34歳)の大麻経験率が高く20%を超えてくる

そういう意味においてフランスにおける大麻は、日本における18歳前後の若者に対する飲酒喫煙の黙認に似ている。
かく言う私も、日本において酒とタバコは中学高校の時のいたずらを除けば正式解禁は世の中のほとんどの人と同じく18歳である。これは当然公然の違法である。
というよりか、私の世代までは、大学のイベントでも飲酒は18歳からでありこれは許容されていた。

しかし、最近は18歳からの若者の公然の非合法酒文化は駆逐されつつあるようだ。
また若い人はどんどん酒を飲まなくなってきているようにも感じる。

バーぐらい梯子してほしいところだが陸の王者とは言えない下戸の慶應ボーイも増えれば、早稲田の人も正真正銘の蛮カラのくせしてどこか調子がおかしいのかと心配になるぐらい飲まない人が増えたし、乃木大将のせいで意外とエセ蛮カラをやる学習院も酒を飲まなくなった。

学習院史学科のある先生は、一年生の研修旅行で酒がいよいよ厳禁になったということで嘆いていらしたが、僕らの世代はコンプライアンスが世の中を萎縮させ完全制服する寸前の世代なので、先生も生徒も皆喜んで、大方が18歳の夏の1年生の研究旅行での酒盛りを楽しんでいた。大学も黙認していた。
文学部が酒とタバコやらないでどうするのと僕はいまでも時代錯誤にも思っている。
タバコはさておいても、酒が議論を闊達にするのは事実である。時代かな…

こうした大学での非合法の18、19の若造の酒盛りに、飲酒の強要があれば厳に禁じなければならないにせよ、だいたい酔いつぶれる奴はカッコつけて調子に乗るような奴の類だし、警察だって、連続する山手線三駅は早稲田の植民地高田馬場駅前、交番が真横にある学習院の庭の目白駅前、セントポールは立教の池袋駅前で、若い学生がよっぱらうのをいちいち目くじらたててとっつかまえたりはしない。

それは、一種の寛容な文化のあり方であって、そういうことにまで目くじらをたてていては社会はつまらなくなるという事実もあるし、江戸時代を考えれば、元服は中学生の年齢で、タバコも酒も早いし、この点に関しては武家法の制限がなく自由であり庶民はなおのことであったから、現代でもあまり目くじらをたてるべきことでもない。そう信じる。

フランス人も、タバコデビューと酒デビューは極めて早い。タバコは18歳から買え酒は16歳から買える
しかし、フランスが江戸流で面白いことに、飲酒喫煙開始年齢は無制限だから、フランスは酒は親がついているならという条件で16歳未満でも飲めるし18歳までの2年間は親の認可が必要という曖昧な許可がだされており、タバコも18歳未満でも学校内でなければ吸える。

そのため、学校外なら吸えるということは、カッコつけたい思春期の青少年が、ファッションでタバコを中学高校の門前で吸ったり、本来ならば禁じられているが外で酒盛りをしたりということが発生する。

中学高校の門前で生徒がタバコを吸うというのは、フランスではおなじみの光景であるし、教員は喫煙する生徒が門外で吸っている場合、これは学校外だから注意できない。日本でよく言う、「遠足はお家に帰るまでが遠足です!」などという、学校の監督責任が、学校行事終了の一秒後や、門外一ミリを超えて発生することはない。

そうして、警察は青少年の飲酒喫煙を取り締まることは通常なく、青少年が平気で街場で酒とタバコを満喫するフランスにあっては、これと同様に当たり前のこととして中学高校生も、そして大人も公然の違法として大麻を吸う。これはいかに大麻がフランスに根付いているかを示している。

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