東京とパリ(構造編)

立体的で雑然としたのが東京、平面的で整然としたのがパリ。

これらが、構造面における東京とパリの対比である。

東京には、普通のビルは言わずもがな、実に高層ビルが多く、従ってビルの街である。
そして地下街も非常に多い。

斯して東京は極めて立体的な空間であり、人々の活動空間は、地下から高層までと立体的である。

珈琲屋や飲食店が地下や上階にも数多あって、そこで飲食する人がいれば、各種店舗もそうで、人々がショッピングを地下や上階で行う。すなわち、人間の活動の深度と高度の幅が大きい。人々の動きは上下左右と立体的である。

中央通りを新橋から上野まで行けば、博品館、GINZA SIX、和光、銀座三越、松屋、丸善、COREDO日本橋、COREDO室町、三越本店、神田から秋葉原のビル群、上野松坂屋を中心に東京人が地下から上空まで存分に使って活動している。

パリは15区のFront de Seineやモンパルナスタワー、13区のOlympiadeなどを除けば、高層ビルはほとんどなく、大型商業施設といっても数えるほどで、平面的である。

カフェやレストランも店屋も地階(Rez-de-chaussée)が基本であり、人々の活動空間は平面的である。

そして、東京は雑然である。

建築に一貫性もない。白色の4階建のビルがあれば、隣に10階建のガラス張りのビルがあるという塩梅で、立体的な街並みの高さが凸凹で、色も統一感がない。

そこに、東京名物の看板がある。
貼り出された色とりどりの看板が、街並みの不統一を一段と高める。

逆にパリは整然である。

原則、クリーム色で古めかしく荘厳な建築が道の両側に立ち並び、地階には店舗が入り、上部にアパルトマンがあるという作りをしている。

色も空間の高さも植え込みも統一感があり整然としている。

看板はあっても日本のそれとは違い、こじんまりとした店のマークが出ていたり、店の前に正対して見る看板の方が圧倒的に多いから、看板が目障りということはない。

江戸であれば、長屋や商家が並ぶ町があり、所々に畑もあり、武家屋敷はせいぜい門構えが違うぐらいで、整然としていたであろう東京。
オスマンのパリ改造以前であれば、雑然としていたとされるパリ。

今や歴史と整然雑然を境に東京とパリは逆転しているらしい。

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