フォンテーヌブロー駅前駐車場殺人事件 〜嫌われ者のフォンテーヌブロー〜

そして、フォンテーヌブローとヴェルサイユは、伝統的フランス人たちが息づく、伝統的な街だけに、首都圏では浮いた存在である。

パリは16区や1区やマレ地区の一角などの高級住宅地を江戸の山手とするなら、20区の黒人街や13区の中華街など、浅草的なもとの貧民窟や、代々木的な農村からパリの拡大に伴い街化した下町あるいは移民地区との混交で成り立っている。

パリを郊外へ出れば、一部の高級な街を除けば、通常は、黒人街アラブ人街といった郊外が続き、フォンテーヌブローやヴェルサイユの城下町や農村を経て、また、移民街がやってくる。

つまり、フォンテーヌブローやヴェルサイユは、貧困な移民が暮らす首都圏の中の白人番外地なのである。

列車に乗っていればそれは一目瞭然で、小ぎれいな格好をした白人はみなフォンテーヌブローで下車する。

また、今時、フランスにおける白人の服装の乱れは激しいが、良く手入れをされた服を身に纏うフォンテーヌブローの住民の品の良さは例外的であり、彼らが伝統に生きる人々であることがわかる。

そして、これはとりもなおさず、フォンテーヌブローやヴェルサイユの住民のイメージにも直結し、首都圏においてこの二つの城下町の政治思想が浮く様をも服装が語っている。

パリは、雑多な人間たちのるつぼであり、人種や社会階層により政治信条はまちまちであるが、郊外や首都圏は農村は例外として原則的には左翼地盤である。
2015年のセーヌ・エ・マルヌ県議会議員選挙の図を左側から左下へ見ても、パリから移民街の郊外を来て、パリから見ればR線の次の停車駅でもあるムーラン(中央下縦書き)という黒人アラブ人街までは赤かピンクの左派政党支持、すなわち左派地盤であり、終着駅の黒人街のモントルーも濃いピンクで、途中駅のフォンテーヌブローとその周りの村は青で、シラクとかサルコジの政党を支持する右派地盤であることがわかる。

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http://www.pcfmeaux.com/elections-departementales-2015-liste-des-nouveaux-cantons-avec-leurs-communes-et-liste-des-elu-e-s-sortant-e-s.html

つまり、農村は白人の代々の農家の村社会であるから、右派地盤であるとしても、首都圏の郊外や小都市としては、フォンテーヌブローやヴェルサイユは首都圏では珍しい右翼の街で、このことから左派の多いパリや首都圏では、この世界遺産の城下町とその住民は毛嫌いされてもいる。
そして、フォンテーヌブローやヴェルサイユの住民であるということは、即右翼とみなされる。

しかし、右翼のフォンテーヌブローに住んで面白いことは、一般論にもなり得ると思うが、カトリックや右翼の人間は、こちらが外人としてフランスを尊重するし、移民もしないと分かれば客人として極めて親切で、意外と国際恋愛もする。

他方、インテリ左翼白人の方が、言っていることと真逆で、白人としか関わらず、国際恋愛もしなければ、白人の輪で固めておきながら、表向き人類平等などを唱えるという閉鎖性が見て取れる。
「黒人に優しく!」と黒人の友達が一人もいない人が言って何になるんだ、とこう私は、いつも白人のインテリ左翼を見て思うのである。

日本でもどこでも、人間というのは、言っていることと真逆のことをするので、反差別とかいう人に限って、実は差別をしているということがある。
一番巨人軍を憎んでいるはずのアンチ巨人が、巨人がないと飯がまずくなるのは一番わかっていて、巨人軍が解体したり、ナベツネが死んだら、一番ぽっかり心に穴が空いて悲しむのは、巨人ファンどころかアンチ巨人であるというロジックと同じである。

私は武家政権が一番良いと思っているから、別にどこの支持者でもないが、安倍政権が終わったら、反安倍の人は生き甲斐がなくなるであろう。全共闘の年寄りが安倍政権のおかげで、元気をとりもどしピンピンしている。デモに行って体を動かして、終わったら思想の共鳴する仲間と一杯やる。これも健康法で、安倍政権が退陣したら、張り合いがなくなって、呆けちゃって、結局彼らが意に反して国民の血税に何十年も頼るのではなかろうかと、心配になる。

では、「フォンテーヌブローとヴェルサイユを許さない!」とこれらを叩くアンチの人々は、どんなことを言うのか、ということをご紹介する。

このサイトの4ページ下のハンドルネームInabaさん(日本人の稲葉ではないと思われる)。
フォンテーヌブロー人は、「ブルジョワで、明らかにレイシストで、自分たちの街を誇って、新参者を不快にする。」少し上のBenjamin giftさんは、フォンテーヌブローの嫌なのが「犬のフン、高校横のタン、タバコのポイ捨て」。と書いてある。

フランス人は汚物が好きで、靴底から吸収した汚物をエネルギーに転換して歩く世界唯一のエコ人種であり、これを踏んで歩かないと歩けなくなるので、Benjaminさんのご指摘は、仕方がない。
だいたい彼らは街を歩くと、5分ぐらいでエネルギーがエンプティーになるようなので、フランス人で歩くペースが遅い人は、踏み損ねているだけだから、手を引っ張って踏ましてやると、すぐにスタスタ歩き始める。

こちらでは、ヴェルサイユ住民がレイシストか否かが随分論議されているが、Thierryさんは「有色人種が嫌いなレイシストな街で、僕は一切合切この街が嫌いで、理由は住民がスノッブでレイシストだから…」と激怒されている。

それはさておき、首都圏の嫌われ者でレイシストと目される、フォンテーヌブローの白人の初老男性が、リンチされて殺されたという、フォンテーヌブロー史上、初めての事件をひとつ。

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