フランスに結集する胡散臭い日本人

フランスは胡散臭い日本人の宝庫である。
こんなにも胡散臭い日本人が流れ着く国もなかろう。

拙者、胡散臭さがムンムン漂い候和服のちょび髭親父に遭遇仕りて、「この親爺胡散臭く候」と思ひ候らひし故、即座にパリを中心と致し候フランスにおいて見かける斯くの如き胡散臭い日本人をば、類型化申し候ひて書き留めることを思い付き候。

ホテルリッツを和服で歩いている
「世界最高のホテルたるホテルリッツに来ている我こそは日本人」と言いたくて言いたくて仕方がない阿呆。洋服は全ての日本人にとって自分たちの物ではない借り物であるから平等に日本人をある程度覆い隠すが、和服というものは不思議なもので、着ることによりその日本人の風格、人品というものを露わにする。フランスで自然に和服を着るのではなく、わざわざ日本人であることをアピールするためにここぞとばかりに和服を着る人間は、胡散臭いったらありゃしない。あの回廊のど真ん中で、袴が脱げ、帯がほどければ良い。

日本風を吹かしたがる
自分から「日本日本日本人日本人」と言って回り、聞かれてから初めて答える粋が分からぬ阿呆。「お前だけには日本人を代表されたくない」という奴に限って日本人アピールをする。こんな奴はとっ捕まえて辮髪にしてやるといい。

書道家ぶる
無茶苦茶字が汚いくせにコンテンポラリーアート枠でいけると信じ、掛け軸に汚い字を書きつけ、恥ずかしげもなく結構な値段で販売したりする阿呆。
こういう輩は大体和服でいるから、墨汁が天から降り注げばいい。

茶道家ぶる
千家しか知らないから「千家千家」言い、茶道家の真似事を有料で始める千利休以外知らない阿呆。片桐石見守・石州流、松平不昧公・不昧流、松浦鎮信公・鎮信流、石州連合会、大日本茶道学会などのダークワードを出して、顔が曇ったら偽物。暴力団か宗教かと勘違いして逃げ出す。こういう輩には、濃茶の代わりにエスカルゴの緑のソースでもしこたま飲ませてやりたい。

何故か甚平姿で歩いている
日本の伝統を知らない日本人のくせに伝統の知ったかぶりをしてフランスを闊歩して恥をさらす阿呆。みっともないからそんな家着で外を歩くな。追い剥ぎなりスリに遭うが良い。

現地の日本人のプチ有名人を取り巻いている
芸事などの派手な活動をする人や星付きシェフなど、目立っている現地の日本人を取り巻き、囃し立て、くっついて回り、あたかも自分がプチ有名人に認められたすごい交友関係の持ち主であるかのように自分を吹聴して回る阿呆。テレビ局という言葉に弱く瞬殺で目がハートになる。取材ですと5時間インタビューを受けたにも関わらず、1秒しか使われない罰を受けるが良い。

ワインがやたらと好きですぐに講釈をたれる
自分からワインの知識をひけらかしたり、「このワインはこの料理に合う」などと聞いてもいないのにグダグダ言う阿呆。本当の通は押し付けがましい講釈はたれず、聞かれたらさらっと答えるものである。フランス人と結託して、ロマネコンティの中身をこいつらが嫌いなメルシャンにして、しこたま講釈をフランス人の面前でたれさせるという大恥をかかせてやりたい。

白人にへつらう
白人フランス人に日本を褒められるのが快感で仕方がない阿呆。自分から白人に擦り寄って行って、日本人アピールをしたり日本の文化を勝手に薄っぺらく紹介したりして、褒め言葉を無理やり取りに行く真似もはばからない。そして、褒められるとメルシーを連発する。お人好しな日本人をカモにした詐欺にでも引っかかると良い。

おフランスに住む自分に酔いしれている
おフランスに住む自分こそが世界で一番素敵な人間と信じ込む幸せな阿呆。こう言う人間のするおフランス発信は、得てして人の成功体験が一番あてにならずに人生訓にもならないのと同じで、飾られすぎているから、日本の日本人は真に受けてはならない。おフランスの一部であるニューカレドニアにでも連行されて、そこからおフランスを発信できたら認めてやる。

エスカルゴやカエルをしきりに食いたがる
もはやフランス人も食べなくなりつつあるこういう珍味を通ぶって血眼で探す阿呆。そんなにゲテモノが好きなら、フランス料理の至高、仔牛の脳みそでも食ってみろ。

グルメをひけらかすためにフレンチを食う
「我こそはグルメである」とひけらかすためにフレンチを食う阿呆。本当に美味しいフレンチは、料理の上手なお母さんやおばあちゃんのものであることは知る由もない。大抵この類の人間は味音痴だから、フランス人の行かない店に出没する。ぼったくられるが良い。

日本関連のイベントに顔を出し名刺をぶん撒く
日本関連のイベントに頻りに参加して、謎な名刺をぶん撒いて回る阿呆。例えば、一度学習院大学史料館が開催した辻邦生のパリ展で受付をしていたら、大声でそこかしこの日本人に、「私はフランスの日本人の母なんです。みんな知ってます。」と言いながら名刺を配りまくるダミ声の婆に遭遇し肝を冷やした。ぶん撒くために名刺を擦り、四方八方に名刺を捨てて回るこうした反エコな日本人はたくさんいる。バックに何かいるかもしれないからおちょくるのはやめる。

日本へ帰ると今度はフランス風を吹かす
フランスでは日本人風を吹かし、日本へ帰ると途端にフランス風を吹かす阿呆。
薄っぺらい日本人の「素敵ですね」「かっこいい」「羨ましい」などという言葉を聞くためにこそ日本でフランス風を吹かす。こういう奴には、ぜひ日本の皆さんは「Et alors ? エ アロール? だからどうした?」と、こう返してやってくださいまし。

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