今どき珍しカトリック美女と語らふフランスの今昔【3】 〜無神論と宗教みたいなベジタリアン旋風の中で編〜

チーズ食べない、カフェオレ飲まない、クロワッサンはバターが入ってるから食べられない、オニオングラタンスープはスープにラードが入ってる、ビーフブルギニョンはビーフ、エスカルゴはカタツムリ、フランスの食の伝統文化は一切食べられない。

カトリックの君は、カトリックだから肉を食う。一緒に飯を食べていて、「私はカトリックだからお肉食べるわ」と素敵に言っていたが、これは我々が、「最近のフランスのベジタリアンが極端でファシズムみたいじゃない?」という会話を切り開いた。

鴨と鳥と赤ワインを食らいながらベジタリアン分析の話が弾む。
ちなみに、近年の研究では、江戸時代に九州の隠れキリシタンの百姓たちが、家畜を勝手に屠って、肉食をしたり、これをイエス様に捧げていたことが明らかになっている。江戸の隠れキリシタンも肉を食ったし、今ではベジタリアンたちの運動のせいでフランス伝統の肉食が白眼視されつつあるパリにあって、パリの隠れキリシタンもこうして肉を食うのである。赤ワインも大事。

厄介なのが、無神論者とて、一神教に慣れすぎた人間たちは、強烈なストイシズムと戒律を求めることである。

どういうことかというと、無神論者たちもカトリックが嫌いで、アンチカトリックというのが根底にあるのに、同様にベジタリアンという新教義をもとに、彼らが嫌いなはずのカトリックっぽくなっている。

さらにラジカルな大教典として、1944年に、イギリスで設立された団体のVegan Societyの指導者ドナルドワトソンの作った言葉兼ウルトラストイックな概念Vegan【ヴィーガン 仏式発音ヴェガン】があり、これが今ビッグウェーブで復活した。

日本人は、国際分析がまだまだで、表面だけ見てブームみたいに捉えて輸入しようとするが、色々なことには根深い問題や思想的背景があったりするから、私が言うとあれだけど、ここを磨いたほうがいい。

思えば私が小学生の頃は、痩せるために野菜ばかり食べようとする人をベジタリアンと明らかに言っていた。オバタリアンっていうのもあったから、ナニナニアンっていう言い方が定着しだした頃かもしれない。

ただし、ベジタリアンというのは、三段階あるかなり思想がかった行為として現代フランスで定義されている。最上級のヴェガンになると激烈な戒律である。宗教と言っても過言ではない。

第一段階 Végétarien【ヴェジェタリアン Rバージョン】

殺した動物からのものは食べない。魚、魚卵、ゼラチン、レンニン(子牛の第四胃袋から抽出するチーズ発酵などに使う酵素)も食べない。牛乳、蜂蜜、鶏卵OK

第二段階 Végétalien【ヴェジェタリアン Lバージョン】

直接殺していようといまいと、動物系のものは全部食べない。

第三段階 Vegan【ヴェガン・ヴィーガン】

最終形態で、食のみならず、洋服、コスメ、洗剤など、あらゆる動物油脂などを使う製品を拒絶

ヴェガンまで行くと相当暮らすのがきついと思う。また、僕の知り合いのヴェガンの人はだいたいものすごく肥満だが、ある研究者肌の料理人の友人に言わせると、動物性タンパク質や油脂の一切を取らないから、結局砂糖とか、炭水化物をめちゃくちゃ食べるので、肥満になっちゃうと説明してくれた。

というように、ベジタリアンは健康法とかではなく、無神論者に多い、カトリックに代わる宗教じみた思想なのである。ちなみに僕は最近また太りだしたが、最初パリで太った時に、江戸時代の先祖が食べたもののレシピを読んでいて、そういえば赤肉無いわということに気づき、半年以上は魚と鳥以外の肉をやめるという江戸食の実践をしたが、確かに痩せた。現代和食も十分軽いけれども、日本人の体には江戸食が合うし、痩せたいならこれがベスト。

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