EU議会選前夜のフランスの雰囲気 〜Brexit・Frexit?ナショナリズムのカムバック〜

この2019年5月23日から26日にかけて、EU議会議員選挙が行われる。
これは言わずもがな、ヨーロッパのあり方を決める最高議会の代議士を選出する選挙である。

今回はイギリスが未だEU離脱を決行せず、イギリスのための議席がキープされることとなった。そのため、人口比で国ごとの議席数に差はあるが、総数751議席を、各国の政党が争うことになる。

選挙は日本の衆参選のように考えれば良く、市民がEU議会に代議士を出したい国内の政党へ投票し、当選したものがEU議会の代議士としてブリュッセルに行く。行く先が国会からEU議会になるだけのようなものだ。

そのため、まったくこの構造は国内の政党政治を反映する。

今回のEU選でフランスにおいて、争点となるのはグローバリズムとマクロン大統領の是非である。

この選挙での勝敗は、2022年4月のフランス大統領選への弾みともなれば、来年にはフランス上院の半数の改選もあるからこれへの試金石ともなる。

さて、海を隔ててイギリスの状況に目をやれば、Brexitの履行を行うのか否かが争点となっているようだ。国民投票でEU離脱を決めたイギリスは、何回もこれを先延ばしにし、ヨーロッパ諸国の顰蹙を買っている。
他方、EU絶対支持の人々からは、抜け出ないことへの安堵がある。

イギリスにおいては、直近の支持率調査で、それまで常に支持率のトップであった労働党が急落し、20%後半から35%の支持を受けるBrexit党が、自由民主党や労働党、保守党を軒並み10%は凌駕してダントツの一位になっているという。

なぜBrexitがこの4月ぐらいから躍進し出したのかは、イギリスに住んでおらず、また、分析不足で言及できない。しかし、これもイギリスの民意が改めてEU離脱を志向していることを示し、仮にこれが覆らなければイギリスはEUを離脱することになる。

さて、フランスにおいても、反EUは根強い。

フランスのEU離脱Frexit強硬派で、スイスのような国民国家をモデルにするUPR(人民共和連合)があるが、これは1%の支持程度しかなく、EU懐疑派や離脱派がこぞって支持するのは、親父の代からフランス「極右」の代名詞であるルペン一家が率いるRN(国民連合)である。

この党はFNと最近まで言ったが、親父のジャン=マリー・ルペンが1972年に創設し、今はその娘で、マリーヌ・ルペンという見るからに肝っ玉母さんが率いる筋金入りのナショナリスト政党だ。ルペン家と国民連合は昔からメディアに「極右極右」と叩かれ、キワモノ扱いされてきた。

しかし、親父は2002年の大統領選でシラクに2位まで肉薄し、親父と内紛してこれを追い出した娘も、先の2017年大統領選で2位につけるダークホースぶりを発揮する親子なのである。

下院においてはこの政党は6議席のみにとどまっており、今の所、マクロンの政党共和国前進が577席中314議席で一人勝ちし、100議席を右派の共和党が持ち、それ以外を左派連合47議席を筆頭に、別の政党で分け合っている。

しかし、地方議会の議員数では3番手で、前回のEU議会選挙では74議席中24議席で1番になっており、結果反EUのフランス政党が一番多くのEU議会議員を有するというシュールな現象となっている。

このように元のキワモノ政党は、じわじわ力を付けてきて、もはや無視できない存在であり、メディアはこれを叩くことに躍起になっている。

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