1. フォンテーヌブローの酒場 VS パリの酒場
フォンテーヌブローの夜遊びは、パリから比べると夜遊びとは言えない。
明かりが少ない。城の横の大通りに数件、横丁に十数軒、以上。
そして、この塩梅であるから、バーのジャンルが乏しい。
ざっとの概要は、
フォンテーヌブローなのに、誰に対しても店員の感じがすこぶる悪いアイリッシュパブが一軒。
ビリヤードバー一軒。
ライブハウス一軒。
激狭のおしゃれバー一軒。
昔ながらのディスコがビストロに併設されている古いバーカウンターを備えた一軒。
中央の安めのホテル地階の、イカさないビールバーみたいなのが一軒。
夜9時には閉まりそうなビストロ兼バーのようなのが一軒。
交差点横の、テラスが売りの、軒を並べた3店舗ぐらいのビストロ兼バー。
店員がパンク系のおばさんなのに、内装が日本のスナックみたいなキッチュなバーが一件。
あとは、裏通りにポツンとあるビール専門バー。
僕の家からは行きやすいサイドの、街はずれだが時折ジャズをやるチェーンホテルのバー。
クスクスレストランがジャズバーと謳っているが、毎日はライブをしていないし、街はずれすぎて気軽に行けないものが一軒。
他にももう少しあるが、どこも似たようなもので、こんなものである。
週末に1時を超えて深夜営業をするのは一軒のディスコ併設ビストロバーのみで、それ以外の飲み屋は全て週末でも1時に閉まる。
この街に欲しいもの。
本当のジャズバー。タパスバー。ワインバー。少しハイソな面々も来るようなパブ。
おしゃれなナイトクラブ。内装がエレガントで、カクテルが美味しい、本物のバーテンダーのいるバー。
頼むわ、ほんと。
そして、バーに目立つ客層はいくつかある。
夜ともなれば、フォンテーヌブローの人ではないと、身なりや所作言動ですぐにわかる近郊からのガチャガチャ系の若者たち。
主としてライブハウスにいるアメリカ南部で、ハーレーに乗りそうな、ロン毛ピアス革ジャンのオヤジロック軍団。
ハイソ風のな若者だけど、決して他とは交わらない雰囲気の小グループ。
若い女子会。
これが一番多いか、男少人数の野郎組。
時折カップル。
一人飲みは、あまり見ない。