さらばパリ(1)〜6年間もありがとう〜

また、フランス人がよく言うことは、「フランスの地方都市は、実に小さいので、イベントもない、美術館もそうはない。行くバーは数店舗しかない。結局週末やバカンスなら良いけれども、住んだらすることがなくて辛い。」という主張。

なるほど、自分も、大きいと言われるリヨン、マルセイユなどに行ってみても、小さい街だなと感じるぐらいだし、20年住んで開拓しきれなかった大東京育ちだから、パリでさえ大きいとは感じない。東京都でなくて、江戸八百八町の内側でさえ、開拓しきれていない。

しかし、東京よりは随分小さいが、パリはフランス随一の大都市。そういう意味で、他の都市には住めないというフランス人が多い。
ならば、パリが万人にとって住むのに適しているかと言うと違う。

繰り返すが、家賃は法外に高い。そして、住居が狭い。街が汚い。満員電車。ストレスフルな街。イベントと洒落た建築と店が多いというようなことを除いては、よっぽどパリに惚れていないと住むのが徐々に嫌になってくる。

我々パリへ来る学生はどう暮らすかというと、多くの学生は交通の便や治安の悪い安い郊外に住んだり、何人かでパリのアパートを共有したり、郊外の一軒家をシェアハウスにしたりして、パスタばかりを自炊して、爪に火をともすような生活をする。服は着た切り雀。

そして、アルバイトという文化がないし、サービス業などカフェのギャルソンやメイドや、バーテンか、スーパーのレジか、ベビーシッターしかないので、日本のように楽勝単位で卒業しちゃえなどということもありえない中で、学業とは両立し難く、金を潤沢に稼ぎながらの学生生活はできない。

さらに、パリの中で一人暮らしをする場合、屋根裏の極小、時に共同便所で、8階エレベーターなしなどというメイド部屋に暮らす人も多い。アーティストなんかもこういう人が多い。

そういう節約を拒めば、2〜30平米で家賃10万円ぐらいは覚悟しなくてはならない。

そこを行くと、僕はかつかつながら、親のすねかじりと、お蔭様で、この上なくありがたい団体から、3年間もの間、文系学生では普通ありつけないような奨学金を頂いていたから、30平米で1月15万円の家に3年以上も住めていた。

はっきり言って恵まれているし、ぬるいブルジョワ野郎と言われればそうだし、バカ息子と言われれば反論の仕様がない。みのもんたが得意の「我々庶民は」という枕詞よりは、乖離していないと信じたいが、僕は貧乏ながら、本当の貧困を知らない。



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さらばパリ(1)〜6年間もありがとう〜 への4件のフィードバック

  1. Yoshiko Nomura のコメント:

    こんにちは!
    6年間、色々な経験をされたのですね。
    日本人特有なパリへの単純な憧れを、6年住んで冷静に分析された世川さんの思いが良く伝わります。人生に何が必要か、人それぞれ、その時その時違うけど、世川さんの本質的な想いを貫く精神は素晴らしいですね。新たな土地でまた羽ばたいてくださいね!応援しています!また会える日を楽しみに✋️

    • yuta.segawa のコメント:

      ありがとうございます!恐縮です。
      フォンテーヌブローにはぜひお越しいただきたいと存じます。
      また、近々パリでお会いいたしましょう!

      • Yoshiko Nomura のコメント:

        はい!私もフォンテーヌブローには、行ったことがないので、ぜひともです。また近くなりましたら、連絡しますね。
        それまでに美味しいレストランを探してくださいね!
        くれぐれも健康には、気をつけてくださいね!

        • yuta.segawa のコメント:

          もちろんです!

          ありがとうございます!
          お互いに元気で、お会いしましょう。

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