三十路男と三十路女の恋愛・子作り・結婚 〜ジャポンetフランス〜

日本は、江戸時代は未婚の母天国で、結婚しない内縁関係を選ぶ人間も多く、婚外子も山ほどいたが、今は西洋近代化のなれの果てに、結婚したカップルの間の子供こそが正しいあり方という観念が抜けていない。だから、子供を作るために結婚を急ぐ人が多いように感じる。そして、結局互いを愛せずに子供だけが二人を繋げる存在と化す、愛やときめきのない空虚な家族が生まれる。これも虚しい。

フランスは、カトリックやイスラム・ユダヤなどの一神教信者を除けば、未婚の母は当たり前だが、そうすると、一度として両親と一緒に住んだことのない子供や、毎週別れた両親の家を往復させられる子供が増える。これはこれで虚しい。

そして、共通するテーマとして、日本人もフランス人も、三十路も近くなれば、子作りや結婚をしたいのか、したいなら誰とするか、ということを自ずと考えるし話題に上がることも多くなる。僕も割に子供欲しいですか?などとよく聞かれるが、それはもう子供好きですから百人ぐらいは欲しいと答えている。

あるいは、三十路あたりになれば、未婚の母を選ぶ者。なかなかこれという出会いがない者。結婚を急ぎ婚活をする者。出会い系サイトにいそしむ者。色々いる。でもこれに焦りすぎると地雷を踏み、良い家庭を築ける確率は低くなると感じる。

僕の周りの晩婚高齢出産の先輩方のお話を聞くと、もう出会えなくてもいいやと思っていたら出会って、子供は無理しないでもいいなどと楽観していた、という人に限って子供ができ、無理して出会っていないだけに、家族も上手く行っている場合がほとんどである。

あと、結婚や子作りや家庭ということに関していえば、もう一個上手くいくパターンがある。ここに今の日本には全然伝わらない、フランスの上流階級やカトリックの伝統的結婚について触れておきたい。

先ず、前提として、カップルには価値観の合致というものは不可欠であろう。そして、その価値観というものはどうしても人種民族や宗教、社会階層に影響される面が大きい。

人種民族といえば、人々のアイデンティティーのうちに、人種民族の歴史や伝統は嫌でも積み重なってくる。黒人の人であれば、自分は奴隷の子孫だとか、差別されているとかそういう思想が皮膚の色の中に埋め込まれてくる。白人は自分を白人だから偉いと思っている人も多い。自分とて、大和民族としての自分を誇っている。そういう類の、人類平等と言えども拭い去り難い考えである。

宗教に関しては、日本人はそのあり方がマイルドだから普通大きな問題は起きないが、ではカトリックやイスラム教の人と恋に落ちることは良いとして、その先に結婚するために改宗を要求され、イエスやアラーを拝まなければ一緒にいられないと言われたらどうするか。それを飲んだとして、その先には子育てをどうするかという問題がくる。性や酒に開かれた日本人の感性と、性や飲酒を悪とみなす一神教文化では、開けた日本的感性と一神教のストイックな価値観の不合致が現れる。

社会階層も、教育や趣味趣向、思想などに大きな影響を与える。例えて、黄色いベストに参加するような人と、その対極にいる人がカップルとして上手くいくはずがない。あるいは伝統主義や保守思想の人間と、ユートピアで革新思想のカップルが上手くいくことも相当難しいはずである。

民族は男女が互いに開かれている場合、国際恋愛で乗り切れる可能性もないとはいえないが、お互い文化が違うから、日本人同士の場合のように阿吽の呼吸でわかりあう楽ができず辛いことも多いであろう。

宗教や社会階層は、実に揺るぎない価値観を定めるから、なかなか乗り越えるのが厳しい。

カテゴリー: エッセイ パーマリンク

三十路男と三十路女の恋愛・子作り・結婚 〜ジャポンetフランス〜 への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 副ゴッドファーザーになりまして。~代父という欧州の疑似家族制度~ | 世川祐多のふらんす見聞録

コメントを残す