現代パリ恋愛模様 〜パリと錦糸町のエレジー〜

男のサガというものは、本質的に辛く哀しいものである。 若き無鉄砲の時代には、そう思わなくても、男の身には、「男はつらいよ」と思わせる様々の経験が降り注ぎ、浮世の理を知る。
車寅次郎は、日本各地やウィーンで、48回も女に振られたが、そこまで振られなくとも、運命の連れ合いに出会うのがいかに難しいことなのかは、我ら男は、そしてきっと女もわかっている。パリは花の都で、恋人たちの街であるとのステレオタイプのイメージは、少なくともこの21世紀にはあてはまらない。

 

 

2016年のある研究では、43%のパリジャン(男)・パリジェンヌ(女)が独身で、パリジェンヌになると2人に1人、つまり50%は独身だという。パリの街中には、出会い系サイトの広告が溢れている。パリのカップルのうち25%が3年以上付き合っている、古いカップルであるとも言い、確かに僕の周りのカップルも、マンネリさえ匂わせるほど長く 付き合っている。
1ヶ月少し前の、ある夜に、バーで僕に絡んで来た女がある。その女は、少し酔っていた。
そして、「男は許されるくせに、女が一人でバーに入り、男を口説くことが、なぜいけないのか。」
「男が性欲を発散することは、大してタブー視されないくせに、女はなぜ男のように振舞ってはいけないのか。」 などと自説を吐いた。
その女が溜まっていたことは誰の目にも明らかであった。
しかし、もし男を誘惑したいのであれば、おそらくこの方法は逆効果で、男をその気にさせるためには、色目や、さりげない話術で誘惑しない限り厳しいであろう。それがたとえ、後腐れを感じさせない、一晩の出会いであったとしても、くすぐる何かがない限り、男共も反応の仕様がない。

 

 

この大都市にあっては、男や女は時として愛のない刹那的な交わりで、運命の相手に出会わない寂しさを満たす。満たせないと知っていながら、満たすふりをする。フランス人全体で、人生の経験人数の平均が11人であるのに対し、パリジャン・パリジェンヌは19人と増える。
そして、安定の相手を見つけている者も、それが心震わす運命の人ではないようで、満たされない何かがあり、46%のパリジャン・パリジェンヌが パートナー以外と逢瀬を交わした、人には言えない過去を持つ。

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