パリの街並みが残されたわけ 〜その偶然と必然〜

奇跡としてのパリの街並みの古さ

パリ以外のフランス人は、得てしてパリを嫌う。若い時は学業や仕事のために、パリに出てきても、30あたりでパリから地元へUターンしたり、もう住みたくないと地方都市へ出て行く人は多い。確かに、一定年齢に差し掛かったら、パリに住むことは相当疲れるはずである。

日本人には意外に思われるかもしれないが、パリの悪口をフランス人に言わせたら、それは凄まじいものになる。

「パリに住んでいる私が好き!」という類のナルシスティックな自己陶酔に入っている人でなければ、パリのことは大体の人が、好きではないと思われる。

しかも、昔からのパリジャン・パリジェンヌも、昔のパリはこんなにせかせかしていなかったし、もっと良かったと口を揃える。曰く、どんどん生活の質や、パリに住む人々の気質が悪化しているそうだ。昔はパリの人々も、すれ違いざまに、Bonjourなどと挨拶し、にこやかで、ゆっくり歩いていたという。僕からすると信じられない話である。

僕もパリからフォンテーヌブローに越す時に、南仏出の友人から、フランスはパリだけじゃないから、本当に違うところも見て欲しいと歓迎されたものだ。

ただ、夜遊びとイベントごとだけは、やはり大都市だけにパリは楽しい。生きづらさか夜遊びか、どっちを取るかだ。

あと、最近はパリから距離を取っているだけに、僕もパリをうろつくとお上りさん気分になり、アートなどパリはやっぱり面白いところもあるんだなと再確認した。中に6年もいると気づかない。

田舎は、夜遊びのバラエティに富まないからこそ、みんな同じお気に入りのバーの馴染みになる。僕は、最近フォンテーヌブローで行きつけのバーを介して友達ができてきているが、パリの人付き合いは表面的だから、田舎の人の方が、溶け込んでしまえば、家に呼んでくれたり、密な人間関係になれる。それはそれで、人間的で良い。

ここ、フォンテーヌブローの若者たちも、いろいろ話しているとパリを嫌い、逆に郷土愛に充ち溢れている。そして、若者の中核は、30前後のUターン組が圧倒的に多い。

これまたUターン組の、30代の行きつけバーのマスター2人は、パリには片道1時間でいけるのに、年に3・4回しかパリへ行かないし、パリが嫌いだと言って憚らない。

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