危険・不潔・ゲキまずフレンチ 〜観光地で飯を食わないフランス人〜

フランスには外食に極めて気をつける人が多い。

主として、観光地の食事処、ケバブ、中華、こういうものに気をつけている。

僕がフランスに来たのが2012年の9月で、その頃、ちょうど飲食店の食品偽装や、あまりに不潔な管理体制などが社会問題化していた。

自家製でないのに自家製を謳う。自家製と言いながら、その中身は冷凍食品と工業製品。
管理体制が杜撰で、蛆虫がわき、カビが生える食品を平気で作り直して提供する。

ここまでひどくなくても、ルモンド紙によれば、2014年でフランスの80%以上の飲食店は、工業製品に頼った食事を提供している。だから、簡単には変われるはずはない。

自家製のふりをして実はデザートが外注のものや工業製品であったり、付け合わせのフライドポテトが冷凍であるというのは、今のビストロを見ていても、同じである。
付け合わせのジャガイモのソテーなら普通自家製だが、フライドポテトが冷凍ではないというのは滅多に見ない。

日本人というのは、フレンチは高級で美味しくてきらびやかでと信じているが、そういう完全無欠の飾った料理を提供するのは、ミシュランの星がついているようなレストランやホテルリッツのレストランのような一握りで、フランスの普通の食事処は、普通の料理で、ガストロノミーという訳ではない。

フランスの食事事情の実際は、一番美味しいのは、フランス人の料理の上手なお母さんやおばあちゃんが作ってくれる家庭料理で、次に、地元民に愛される飾らずおいしい土地土地のビストロがあって、それ以外は、超高級レストランを除けば、文字通り適当な、「ふ〜ん」という食事処ばかりである。

問題は8割以上ある、こういう「ふ〜ん」レベル以下の食事処のクオリティなのである。

しかし、社会問題化から、幾ばくの時が過ぎても尚、フランスのこうしたとんでもない飲食店は存在し続けている。

それは偏に、彼らのカモが存在し続けるという顧客の問題に関連する。

観光大国フランスの観光客は、観光地のレストランの多くが、移民が客引きをしたり、メニューが確実に仕込めないぐらい多く、やたら多言語に対応しているなど、怪しさがムンムン臭うにも関わらず、入ってしまう。

フランス財務省も、レストランで本当に自家製のものを供している店やメニューにだけ貼れるステッカーを2014年から導入はしたものの、そんなものを客がいちいち確認しているとも思えない。

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そして、味音痴で溢れるフランスのフランス人たちも構わず行ってしまう。

フランス人は味にうるさくグルメであるかのように思われているが、原則的にフランス料理は味付けが大味であり、フランス人には味音痴がたくさんいる。
ただ、多くの味音痴が一丁前に食事の批評をああじゃないこうじゃないと語るから、通に見えているだけというまやかしの構造なのである。

意外とシェフや本当の通人は、料理批評はせず、グダグダ言わないで、「おいしい」か「まずい」を基本に二言三言付け加えるぐらいかしか言わない。

故に、だらだら料理を批評しているフランス人ほど味音痴な人間はいない。

通人の僕が毎朝毎昼毎晩レストランに行くときに実践している、食通ぶるテクニックがある。

まず、猛暑でもマオカラーの黒いスーツを着る。
席に着く。
食事を知った顔で軽やかに注文する。
食事が運ばれて一口食べる時までギャルソンを引き止めておく。
そして、「このまろやかなクリームの淡い色合いと脂ののり具合が絶妙で、輝きからそれが判断され、これがまた肉と相まって、非常に華やかな」と形容詞を適宜挟みながら、微妙に文語体にして講釈をたれる。

これで、簡単にフランス的食通になれる。

同じ方法で、ソムリエにもなれる。特に、ソムリエの場合は怪しい検定試験がいっぱいあるから、これの一つにパスしておけば尚通ぶれる。

だから、フランス人の味音痴と、なにも知らないでフランスの雰囲気に酔いしれてしまう観光客が主にカモとなって、ふざけた飲食店はのうのうと生きている。

では、こうしたふざけた飲食店はどんな杜撰なことをしているのか。
食事中は見るのを控えた方がいいが、ルポルタージュがたくさんあるので、言葉がわからなくても全部映像で完璧にわかるものをいくつかご紹介する。

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